実年齢より老けて見える男性の原因と対策

実年齢より老けて見える男性の原因と若見えする方法 男のしわ・たるみ

初対面の相手に年齢を伝えた時、「落ち着いていらっしゃるから、もっと上かと思いました」と、フォローするような言葉と共に言われた経験はありませんか。悪気がない言葉だと分かっていても、内心「やっぱり老けて見えるのか…」と、少しだけ心が曇ってしまう…。

あるいは、鏡に映るご自身の顔を見て、「なんだか老けたな…」「疲れているように見える…」と感じ、ため息をつく日が増えてきたということはないでしょうか。

その老け見えのお悩み、実は多くの男性が抱えているのです。多くの男性が30代を過ぎたあたりから、「なんか年取ったな..」と感じるんです。

30代から加速する男性の「老け見え」の正体

男性の肌や身体は、30代を境に変化のスピードが上がっていきます。肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンといった成分は年々減少し、若い頃と同じ生活をしていても、紫外線や乾燥によるダメージが蓄積しやすくなります [1]。

仕事での責任が増し、プライベートでも変化が訪れるこの時期は、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れが表面化しやすい年代でもあります。こうした日々の積み重ねが、気づかぬうちに「老け見え」として現れてしまうのです。

疲れた表情のビジネスマン

若々しい男性と何が違うの?

では、なぜ同い年なのに若々しく見える人と、そうでない人がいるのでしょうか。 その差は、特別な才能や遺伝だけではありません。多くの場合、日々の少しの意識と、自分に合った適切なケアを知っているかどうかにかかっています。

今回は、まず「なぜ老けて見られてしまうのか」という原因を分かりやすく解説し、その上で、今日からすぐに始められるセルフケアの方法、そして「もうセルフケアだけでは追いつかない…」と感じている方のために、美容医療という効果的な選択肢まで、分かりやすく解説していきます。

男性が老けて見える5つの原因

老けた印象は、一つのパーツだけで決まるわけではありません。肌、髪、体型、そして生活習慣といった複数の要素が絡み合って、全体の雰囲気を作り出しています。まずは、どの原因に当てはまるかチェックしてみましょう。

原因1:肌の衰え(シミ・しわ・たるみ・くすみ)

最も年齢が現れやすいのが「肌」です。特に男性は女性に比べて皮脂の分泌量が多く、水分量が少ないため、肌トラブルが起きやすい傾向にあります。

シミ

長年浴び続けた紫外線のダメージが、ある日突然シミとして現れます。一つあるだけでも、顔全体の印象を暗く見せてしまいます。

しわ

目尻の笑いじわは魅力的にも映りますが、おでこや眉間に深く刻まれたしわは、不機嫌で疲れた印象を与えます。

たるみ

頬の位置が下がり、口元のほうれい線が深くなると、一気に老けた印象になります。フェイスラインがぼやけるのも、たるみが原因です。

くすみ

血行不良や乾燥、古い角質の蓄積によって、顔全体がどんよりと暗く見える状態です。健康的なイメージから遠ざかってしまいます。

原因2:髪の変化(薄毛・白髪・パサつき)

髪は、顔の額縁とも言える重要なパーツです。髪のボリュームが減ったり、生え際が後退したりすると、見た目年齢は大きく変わります。これは男性ホルモンの影響などによるAGA(男性型脱毛症)が関係していることも少なくありません [2]。

また、白髪が増えること自体は自然な変化ですが、手入れされていないボサボサの白髪は、実年齢以上の印象を与えがちです。髪全体のツヤがなくなり、パサついている状態も、疲れたイメージに繋がります。

原因3:体型の変化(猫背・ぽっこりお腹)

若い頃はスリムだったのに、気づけばお腹周りに脂肪が…という方も多いのではないでしょうか。代謝が落ちてくる30代以降は、意識的に運動をしないと体型が崩れやすくなります。

スーツの上からでも分かるぽっこりお腹や、長時間のデスクワークで染みついた猫背の姿勢は、実年齢以上に老けて見られる大きな原因です。背筋が伸びているだけで、人は自信に満ち溢れ、若々しく見えるものです。

駅のホームにいるぽっちゃりサラリーマン

原因4:髭や眉などの清潔感

肌や髪、体型といった大きな部分だけでなく、細部への配慮も若々しさを保つ上で欠かせません。

無精髭は、ワイルドで格好良く見えることもありますが、多くの場合、だらしなく不潔な印象を与えてしまいます。また、伸びっぱなしで繋がってしまいそうな眉毛も、野暮ったく見える原因です。鼻毛や耳毛の手入れが行き届いていないのは、言うまでもありません。

原因5:紫外線や喫煙などの生活習慣

これまでの原因はすべて、日々の生活習慣が大きく影響しています。特に「紫外線」は、肌の老化の最大の原因と言われ、シミやしわ、たるみを引き起こす「光老化」の主な要因です [1]。日焼け止めを塗る習慣がない方は、知らず知らずのうちに肌老化を加速させているのです。

また、喫煙は体内のビタミンCを破壊し、肌のハリを失わせるだけでなく、血行を悪化させてくすみや薄毛の原因にもなります [3]。過度な飲酒や栄養バランスの偏った食事、慢性的な睡眠不足も、見た目の若々しさを確実に奪っていきます。

若々しい印象を取り戻すセルフケア

原因が分かったら、次はいよいよ対策です。高価な化粧品や特別なトレーニングを始める前に、まずは毎日の生活の中でできる基本的なケアから見直してみましょう。

正しいスキンケア

これまでスキンケアに無頓着だったという方も、難しく考える必要はありません。大切なのは、肌を「清潔に洗い」「十分に潤し」「紫外線から守る」ことです。

ポイントを解説する女性看護師

正しい洗顔

洗顔料をしっかりと泡立て、指が直接肌に触れないくらいの優しい力で、泡を転がすように洗いましょう。ゴシゴシ洗いは肌を傷つけ、乾燥や肌荒れの原因になります。熱いお湯は必要な皮脂まで奪ってしまうため、ぬるま湯で洗い流すのが鉄則です。

十分な保湿

洗顔後の肌は、水分が蒸発しやすい無防備な状態。すぐに化粧水で水分を補給し、その水分が逃げないように乳液やクリームで蓋をします。ベタつくのが苦手な男性も多いですが、最近はさっぱりとした使用感の男性用保湿剤も豊富にあります。

徹底的な守り方

若々しい肌を保つ上で、最も重要と言っても過言ではないのが紫外線対策です。通勤や少しの外出でも、紫外線は一年中降り注いでいます。日焼け止めを毎朝の習慣にしましょう。これも男性向けの白くなりにくい製品や、石鹸で落とせる手軽な製品があります。

日常の生活習慣で身体の中から若々しく

外側からのケアと同時に、身体の内側からのアプローチも不可欠です。

食事

抗酸化作用のあるビタミンC(パプリカ、ブロッコリーなど)やビタミンE(ナッツ類、アボカドなど)、肌や髪の材料となるタンパク質(肉、魚、大豆製品)を意識して摂りましょう。揚げ物や甘いものの摂りすぎは、体を「糖化」させ、老化を促進させるので要注意です。

睡眠

睡眠中は、成長ホルモンが分泌され、日中に受けたダメージを修復する大切な時間です。最低でも6〜7時間の質の良い睡眠を確保するよう心がけましょう。

運動

ウォーキングなどの軽い有酸素運動は、血行を促進し、肌の隅々まで栄養を届ける助けになります。また、筋トレは成長ホルモンの分泌を促し、引き締まった体型を維持するのに効果的です。

髪型と眉、服装で印象は劇的に変わる

少しの工夫で、見た目の印象は大きく変わります。

髪型と眉

定期的に美容室や理容室に行き、ご自身に似合う清潔感のある髪型を維持しましょう。自分では処理しにくい眉毛も、プロに整えてもらうだけで、驚くほど洗練された印象になります。

服装

シワだらけのシャツや、毛玉のついたニットを着ていませんか?高価な服を着る必要はありません。サイズが合った清潔な服を着る、Tシャツだけでなく襟付きのシャツを選ぶ、といった少しの意識で、だらしない印象を払拭できます。姿勢を正して胸を張るだけでも、頼りがいのある若々しい雰囲気に見えます。

セルフケアの限界を感じたら…「美容医療」という選択肢も

日々のセルフケアは非常に重要ですし、続けることで確実に変化は現れます。しかし、長年かけて刻まれてしまった深いしわや、重力には逆らえない頬のたるみ、できてしまった濃いシミなどは、セルフケアだけで完全に解消するのは難しいのが現実です。

  • 深く刻まれたほうれい線やおでこのしわ
  • セルフケアでは引き締まらないフェイスラインのたるみ
  • コンシーラーでも隠せない濃く広範囲のシミ
  • 明らかに進行している薄毛(AGA)

こうした悩みに対し、時間と労力、そしてお金をかけて様々な化粧品や育毛剤を試しても、期待したほどの効果が得られずに諦めかけている方もいらっしゃるかもしれません。そんな時こそ、専門家の力を借りる「美容医療」が、非常に効果的で賢い選択肢となります。

男性利用者が急増中の理由

美容医療は、女性が受けるもの、あるいは一部の特別な人が受けるもの、というイメージがあったかもしれません。しかし、それはもう過去の話です。

近年、美意識の高い男性が増え、ビジネスシーンでの印象アップやコンプレックスの解消などを目的に、美容クリニックを訪れる男性が急増しています。

美容医療の最大のメリットは、科学的根拠に基づいたアプローチで、セルフケアでは届かない肌の奥深くや、発毛のメカニズムに直接働きかけ、より確実でスピーディーな効果が期待できる点にあります。

ポイント解説をする美容ナース

男性の若見えを叶えるおすすめ美容医療

ここからは、具体的な悩みに合わせて、男性に特に人気が高く、効果的な美容医療の施術をご紹介します。ご自身に合った解決策を見つけるための参考にしてください。

深いしわ・顔のたるみが気になるなら

ハイフ(HIFU)

高密度の超音波を肌の土台であるSMASという筋膜に照射し、熱エネルギーでタンパク質を収縮させてリフトアップを図る治療です [4]。メスを使わずに、たるみの根本原因にアプローチできるのが特徴で、引き締まったフェイスラインを目指せます。

ヒアルロン酸注入

ほうれい線やゴルゴラインなど、深く刻まれたしわの溝にヒアルロン酸を注入し、内側から肌を持ち上げて平らにする治療です。加齢によって失われたボリュームを補うことで、若々しくハリのある顔立ちを取り戻す効果が期待できます [5]。

ボトックス注射

眉間やおでこ、目尻などにできる「表情じわ」の原因となる筋肉の過剰な働きを、ボツリヌス・トキシンという成分で和らげる治療です [6]。険しい表情や、疲れた印象を与えるしわの改善に効果的です。

濃いシミ・全体のくすみを改善したいなら

ピコレーザー

ピコ秒(1兆分の1秒)という非常に短い時間でレーザーを照射し、その衝撃波でシミの原因であるメラニン色素を細かく粉砕する治療です。従来のレーザーに比べて肌への熱ダメージが少なく、痛みやダウンタイムが短いのが特徴です [7]。

光治療(フォトフェイシャル)

IPLという特殊な光を顔全体に照射することで、シミやそばかす、くすみ、赤ら顔など、様々な肌トラブルを同時に改善する治療です。肌全体のトーンがアップし、透明感のある若々しい肌印象を目指せます。

薄毛・AGAの進行を食い止めたいなら

AGA治療薬(内服・外用

AGAは進行性の脱毛症であり、セルフケアでの改善は困難です。クリニックでは、日本皮膚科学会のガイドラインでも推奨されているフィナステリドやデュタステリドといった内服薬、ミノキシジルの外用薬など、医学的根拠に基づいた治療が受けられます [2]。抜け毛を止め、発毛を促進する効果が期待できます。

男性患者をカウンセリングする美容ナース

清潔感を格段にアップさせるなら

医療ヒゲ脱毛

毎日の髭剃りから解放されるだけでなく、カミソリ負けによる肌荒れや、毛穴の黒ずみ(青髭)も解消できます。顔全体の印象が明るくなり、清潔感が格段に向上するため、男性からの人気が非常に高い施術です。

お悩み別美容医療比較表

悩み/施術名主な効果ダウンタイム費用の目安(1回)こんな方におすすめ
【たるみ】ハイフ(HIFU)フェイスラインの引き締め、リフトアップほぼ無し〜数日の軽い赤み・筋肉痛のような痛み5万円〜15万円メスを使わずにたるみを根本から改善したい方
【深いしわ】ヒアルロン酸注入ほうれい線やゴルゴラインの改善ほぼ無し〜数日の内出血・腫れ5万円〜10万円(1本)特定の深いしわをすぐに目立たなくしたい方
【表情じわ】ボトックス注射眉間・おでこ・目尻のしわ改善ほぼ無し2万円〜5万円(1部位)険しい表情に見られるのを改善したい方
【シミ】ピコレーザー特定のシミの除去、肌のトーンアップ数日〜1週間程度の保護テープ・かさぶた1万円〜(シミの大きさによる)濃いシミをピンポイントで取りたい方
【薄毛】AGA治療薬抜け毛の抑制、発毛促進ほぼ無し(初期脱毛の可能性あり)1万円〜3万円(月額)薄毛の進行を止め、髪を増やしたい方
【清潔感】医療ヒゲ脱毛永久脱毛、青髭・肌荒れの改善数日〜1週間程度の赤み・ひりつき3万円〜5万円(1回)/10万円〜(コース)毎日の髭剃りをなくし、清潔感を上げたい方

※ダウンタイムや費用は、クリニックや個人の状態によって異なります。

まとめ

実年齢よりも老けて見られるという悩みは、決して簡単なものではありません。しかし、その原因を知り、正しい対策を行えば、見た目の印象は必ず変えることができます。

まずは、今日から始められるスキンケアや生活習慣の見直しから。それだけでも、肌や表情は少しずつ明るくなっていくはずです。そして、もしセルフケアだけでは越えられない壁を感じた時には、美容医療という頼れる選択肢があることを思い出してください。

若々しい見た目に自信が持てるようになると、気持ちも明るくなり、仕事やプライベートにも良い影響が生まれるかもしれません!

まずは、出来ることから始め、若見えを目指しましょう!

参考文献

[1] Flament, F., Bazin, R., Laquieze, S., Rubert, V., Simonpietri, E., & Piot, B. (2013). Effect of the sun on visible clinical signs of aging in Caucasian skin. Clinical, cosmetic and investigational dermatology, 6, 221–232. https://doi.org/10.2147/CCID.S44686

[2] 日本皮膚科学会ガイドライン. (2017). 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版. 日本皮膚科学会雑誌, 127(13), 2763-2777. https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf

[3] Morita, A. (2007). Tobacco smoke causes premature skin aging. Journal of dermatological science, 48(3), 169–175. https://doi.org/10.1016/j.jdermsci.2007.06.015

[4] Park, H., Kim, E., Kim, J., Ro, Y., & Ko, J. (2015). High-Intensity Focused Ultrasound for the Treatment of Wrinkles and Skin Laxity in Seven Different Facial Areas. Annals of dermatology, 27(6), 688–693. https://doi.org/10.5021/ad.2015.27.6.688

[5] Beleznay, K., Humphrey, S., Carruthers, J. D., & Carruthers, A. (2014). The role of soft-tissue fillers in the management of the aging face. Plastic and Reconstructive Surgery, 133(4), 518–526. https://doi.org/10.1097/PRS.0000000000000049

[6] Small, R. (2014). Botulinum toxin injection for facial wrinkles. American family physician, 90(3), 168–175.

[7] Torbeck, R. L., Schilling, L. M., Khorasani, H., Dover, J. S., Arndt, K. A., & Saedi, N. (2014). Evolution of the picosecond laser: a review of literature. Dermatologic surgery : official publication for American Society for Dermatologic Surgery [et al.], 40(12), 1-11. https://doi.org/10.1097/DSS.0000000000000234

自費診療専門ウェブライター
総合美容クリニック・男性美容クリニック・再生医療クリニックに長年携わった経験を活かし、専門的な知見を提供
最近はAIを活用したクリニック経営やマーケティングにも携わっている

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